秋は肺の季節
またまた本当に久しぶりのブログです。
今日は、秋と体の事について書いてみたいと思います。
今年は9月になると急に涼しくなり秋になるのが早かった様な気がします。
10月半ばの今はすっかり秋が深まってきている感じですね。
東洋医療では秋は肺の季節でもあります。
肺の弱い人に症状が出やすい季節なのです。
肺とは東洋医療でも呼吸器系を指しますが、その他にも肌や腸にも深い関わりがあります。
春の肝(自律神経系)、夏の脾(消化器系)について以前書きましたが、
今回は秋の肺(呼吸器系)について書いてみたいと思います。
東洋医療で言う肺とは、呼吸によって外からのエネルギー(清気、又は酸素)を体に取り入れ体内の不必要な物(濁気、又は二酸化炭素)を排出します。
そして更には、からだ全体にエネルギーがくまなく回る様に調節すると考えられています。
肺の機能が上手く働かないと咳やくしゃみ、息切れなどの
呼吸器系の症状が出るだけではなく、
気が滞ってイライラや愚痴が多くなったり、
神経質に体の色々な不調が気になり始めたり
アトピー等の皮膚炎がでたり、
下痢をしたり腸炎になったりもします。
まさにエネルギーが上手く回らなくなっている状態です。
この症状はタイプによっても異なります。
肺虚(肺の機能が弱い体質)でも陽証、
つまり比較的体力があり筋肉があり暑がりなタイプは…
気の巡りが悪くなると発散できなくなりイライラして愚痴が多くなり、肩や首筋が張ってきます。
また体力がある割に風邪をひきやすく、ノドの炎症や高熱等を起こしやすい。
そして甘い物や、脂っこい物を沢山食べると蓄膿症などにもなりやすい。
このタイプは自分が肺虚だと自覚がない場合が多いです。
一方、陰証、肺の機能が弱い事に加えて、
体力がなく、筋肉もすくなく、体が冷えるのタイプの人は…
何となく色々な事が心配になり神経質になります。
こちらも愚痴やため息が多くなりますが、イライラしてと言うよりは不安からこぼす感じです。
そして風邪をひくと長引いてなかなか治らず、いつまでも咳をしていたりします。
食欲不振や下痢などの胃腸の症状がでれば、ますます体力が落ちたりもします。
この肺虚の方に多い特徴は…。
- 色白でキメが細かい
- 肌が敏感
- 体毛が薄いか(体力ないタイプ)、毛深い(体力あるタイプ)
- 声が細い(特に体力ないタイプ)
- 肩が薄くいかり肩 等々…。
このすべての特徴が当てはまる訳でないですが、傾向としてこんな特徴があります。
私が治療を通じて気付いたのは、肺虚の方は良く話す人が多いという点です。
多分話すことは肺を使い、肺虚の方にとっては気を循環させる事になると考えられます。
だから沢山お話して、元気になって帰って行かれます。
ただこの肺虚の方が無口だったり
愚痴などを言わない我慢強い性格だったりすると
夏が終わって秋めいてくると湿疹やアトピー等が一気に出る事があります。
先日もこのタイプの方が治療にいらして、いきなり湿疹が体のあちこちに出ていました。
聞けば、元々無口なのに最近のテレワークで、殆ど誰とも話さず、外にもあまり出ていなかったと言います。
以前は、週に何度もエアロビに通って汗を流していたけれど、
数年前に心身を壊してからジムにも行かなくなってしまったそうです。
まさに体質と合わない生活をして、気が廻らなくなってしまってしまったのです。
その方には、とにかく一日一度は外に出て歩く、また歌を歌ったり、人と話したりする事をして頂きました。
すると湿疹も落ち着き、首の張りなどもかなり楽になって行きました。
そして「またジムに行ってみたい。」とも言っていました!
このタイプの方には、少し息が上がるぐらいの運動をしたり、話したり、笑ったり、歌ったりと
とにかく肺を使って気を巡らす事をやってもらいます。
よほど弱っていない限り気が廻り元気になって行きます。
また風邪を引かないためには、
首の後ろと背中の上の方を冷やさない事が大切です。
↓
この風門のツボ付近から風邪は入りやすいです!
だから襟のある服や、首や背中にかける物をお勧めします。
更にゾクゾクと寒気がした時にはここにカイロを張ったりしましょう。
最後に肺虚の方の性格の傾向として
一つの事にこだわりを持って突き詰めて行く所があります。
また自分の正しいと思う事には頑な傾向がある様に感じます。
五行では肺は白を表しますが、清廉潔白を好む印象があります。
そして、倹約家で情が深い事も。
あくまでも私の主観ですが…。
もしご自分がこの肺虚のタイプだと思われたら、
どうぞぜひ気持ちの良い秋の日に外に出て
歩いたり、話したり、笑ったりしてみてください。
肺が働いて気が廻って清々しい感覚を味わえるはずです。